【CUBE作戦】 E-1 OPERATION CUBE2017. 10. 6. 07:04
CUBE作戦 E-1 【七段階のパズル】
【Part 1】
…………AR-15の失踪から5日後。
ヘリアン「……クルーガー様、以上がAR-15に関する最新情報です。指揮官とAR小隊は捜索に念を入れています」
ヘリアン「因みに、先程404小隊が申し込んだ『緊急指揮権』件については、私が承認させて頂きました」
クルーガー「……やむを得ない状況でない限り、権限は与えてはいけないだろう」
ヘリアン「404小隊に対する脅威が予想よりも深刻です」
ヘリアン「もしかするとあのジャマーは本当に【傘計画】と関連しているかもしれません」
クルーガー「うむ……」
クルーガー「404小隊は今どこにいるのか」
ヘリアン「まだS06区にいます。すでに作戦を始めたそうです」
ヘリアン「より詳しい情報は、彼女達が生きて持ち帰ることを祈りましょう」
……同時刻。S06区・鉄血紛争地域。
UMP9「ほら、起きて」
UMP9「416、早く起きてよ~!」
UMP9「お~~~~い!」
HK416「……っ」
HK416「……うるさい」
UMP9「ヘイ!416、大丈夫?今どんな気持ち?」
HK416「『素敵ね』とでも言ってほしいの?なら早くこの石から退かして」
UMP9「うん、鉄血の討伐代が来るまで3分残ってるから、何とかしてみるね」
UMP9「(石を運びながら)砲撃音聞いた?状況が悪くなったらわたし逃げるよ」
HK416「逃げるもんならやってみて。あんたの身体から頭を取り外して頭だけ連れて行くからね」
UMP9「怒らないでよ、わたしが悪いわけでもないじゃん。誰も鉄血が押し寄せてくると思わなかったじゃない」
UMP9「ところで、ただの通信ジャマーにすぎないのに何であんな血眼になってるのかな」
HK416「私達が安直に考えすぎた。ヘリアンが報酬をそこまで高く言ってきたんだから。そもそもわけありだったのよ」
UMP9「そうそう。四方がレーダーだからちょっとだけ晒しても攻撃されるよねぇ」
HK416「夜間作戦だからできるだけ早くあのレーダーを占領しなきゃ。このままじゃ視野確保もできないかもしれないわ」
UMP9「わたしたち二人だけじゃ無理だよ。今度の討伐隊は装甲部隊まであるし」
HK416「そう……」
HK416「だから銃弾が効かないわけね。徹甲弾を探してくれる?」
UMP9「45お姉ちゃんが考えてはいるけど、よくわかんない……手がかりがあるかな……」
HK416「嘘はやめなさい、9。45がもう全部用意してるでしょ?」
UMP9「(ビクッ)え?どうやって……」
HK416「3分過ぎたわよ。まだ逃げてないでしょ」
UMP9「はっ……♪」
UMP9「運がよかったことにしておいて。これが最後の一つよ、出て来て」
UMP9「すぐ45お姉ちゃんに連絡するから416は一応伏せてて」
UMP9「鉄血の突撃隊が来るのは本当だよ。神様に祈ってね」
HK416「45に問題がないなら、神様に祈るのは鉄血のほうよ」
UMP45「UMP9、応答して。416のやつは死んだの?」
HK416「がっかりさせてごめんなさいね。じゃあもう私達を連れて撤収すると言ってくれる?」
UMP45「あんまり急がないの、416。まだ後退するつもりはないよ」
UMP45「わたしが包囲を突破させてあげるね。あと9は私と合流よ。新しい任務があるの」
UMP45「416、G11が鉄血の陣地で傍受してるよ。行って彼女を守ってあげて。わたし達が迎えにいくね」
HK416「(ため息)あのね、よく考えてから命令を出して。装備もない人形二人にあの装甲と戦えって言ってるの?」
UMP9「(小声で)あの……こんな薄暗いところで火もつけないままジャマーを探さなければいけないの?」
UMP45「大丈夫だよ。つい先ヘリアンから『緊急指揮権』を与えられたの」
UMP45「グリフォンに『装備』権限まで解禁してもらったから、その問題については心配することないよ」
UMP9「よかった。グリフォンの支援があるなら部隊も徹甲弾も大丈夫だね!」
HK416「じゃあ夜間視野は?今私達敵軍もちゃんと見えないわよ」
UMP45「拳銃人形の偵察能力を活用して夜間視野を広げるのよ」
UMP45「ちなみに、わたしが部隊を運用してレーダーのコントロールを奪って、より広い視野を得るから」
UMP9「徹甲弾、拳銃人形、レーダー。この三つを確保すれば勝ち目があるってことね!」
UMP45「わたし達の視野には限界があるからあんまり無闇に突入してはいけないよ」
UMP45「なるべく敵を挑発しないこと。準備はきちんとしてから作戦に入りましょう」
【Part 2】
……潜入成功。UMP9とHK416がそれぞれ目標地点に向かっている。
HK416「こちらはHK416。順調に目的地に到着。G11を探しています」
UMP45「え?レーダー通りならG11はすぐとなりにいるはずよ?」
HK416「周りには木しか見えないけど。どこに隠れているかも分からないし……」
HK416「……あ、いた」
HK416「起きて、G11」
G11「うう……やだ……」
HK416「早く起きて。もう遅いわよ」
G11「う……蹴らないでよ……」
G11「あ、416……なぜ416がここにいるの?」
HK416「まだ寝ぼけてんの……」
HK416「護衛役が必要だと言ったのはどこの誰よ」
G11「あ……45に416が死んだかもしれないって言われたから」
G11「だから……夜中まで隠れて逃げようとしてたよ」
UMP45「♪ごめんねG11、416がどうしても来るって言うから。休んでるところを邪魔しちゃったね」
HK416「……あなた達ねえ」
G11「怒るなよ416……私を守ってくれるんじゃなかった?」
HK416「(深呼吸)……周りが鉄血だらけだから、まずは隠れ場所を探さなきゃ」
G11「うーん……ちょいタンマ」
G11「先までついうとうとしちゃったから……一応録音記録の確認ね」
HK416「…………」
Hk416「1分あげる。過ぎたらあなたを解体したまま連れていくからね」
録音再生開始……
??「……こんばんは」
??「S06区へようこそ、グリフォンの皆さん」
HK416「ちょっと、これどういうこと?!」
G11「わ……私は知らないよ。ずっと気をつけていたんだもん」
HK416「この声は、今度の鉄血ボス?」
??「……私達は全部知っている。この夜は今やっと始まったってことを」
??「残念ながらあなた達にはもう終わってしまうだろうけど……」
HK416「ちくしょう!」
HK416「G11!伏せろ!」
ドカーーン!!
同時刻、鉄血S06区指揮部。
ハンター「ウロボロス、S06区F3地点の音声制御爆弾が起爆した」
ハンター「捕捉された映像によると、適方は404小隊と判別。だが生死のほどは確認できず」
ウロボロス「なら直ちに討伐隊を行かせて止めを刺さないと」
ハンター「本気か?エージェントに言われただろう。グリフォンとの衝突は最大限避けようと」
ウロボロス「ハンター、あんな糞真面目に経験に頼りすぎるからAR-15に踏みにじられたあげく殺されたのだ」
ウロボロス「よく聞け。私の目標は雑魚い連中じゃなくて、彼女達の首脳」
ウロボロス「404の逃亡者をやっつけるのは囮で、やつらの親玉を誘い出すのが本当の目的だ」
ハンター「彼女達はAR小隊とは違うんだ。本当にあの指揮官が彼女達を見捨てないと確信するのか?」
ウロボロス「ああ。彼女達が404だからなおさら」
ウロボロス「人は危険にさらされた時、たやすく友人を裏切るもの。だが都合がいい時も出鱈目に捨て駒にしたりはしない」
ハンター「ウロボロス……」
ハンター「じゃあ、私は?何故より強い人形を選ばずに、廃墟に埋められた私を再稼動させたのか?」
ウロボロス「お前が失敗を経験したからだ。復讐心がお前をもっと残酷にさせ、恥辱がお前をもっと慎重にさせる」
ウロボロス「グリフォン相手にはお前が適任だ」
ウロボロス「どうだ……私を失望させるつもりか?」
ハンター「……」
ハンター「いや、私はお前を裏切らない。ウロボロス」
ハンター「私は……すぐに哨所に向かおう」
ウロボロス「行け、ハンター。S06区の哨所を守るんだ。目に入るすべてのグリフォンを叩き潰せ!」
10分後、HK416とG11の所。
G11「うっ……もっと早く、鉄血に追いつかれちゃうよ!」
HK416「うっせえわ!あんたが私をおんぶして走ってみる?!」
HK416「……クッソ、道が切れてる。45、迎えに来るって約束はどうなったのよ!」
UMP45「近い、すぐ下の方よ!」
HK416「本気で言ってるの?下は絶壁じゃない!」
UMP45「そうよ、そのまま走って。そして飛び下りて!」
HK416「……ついに私達を処理したくなったのね?45」
UMP45「今はそうじゃないよ、416。わたしを信じて」
G11「言われたとおりにしてよ、飛んで!私は下に何があるか知ってる!」
HK416「(ため息)信じるわ、G11」
HK416「少なくともあなたは頭からつま先まで臆病だから……」
HK416「用意。1、2ーー」
ーー3!
…………
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