普通 5-5 【内部現状】
【Part 1】
……臨時指揮室に戻ってきた。
ヘリアン「指揮官、戦術人形AR-15のことが気になるかと思います」
ヘリアン「今のところ確認できたのは、AR-15が復帰する直前に鉄血のハッキングプログラムに感染したということです」
ヘリアン「現在彼女の通信モジュールは遮断しているので、外部とのデータの出入りは不可能です」
ヘリアン「私達は彼女のプログラム内のアトリビュートコードを調べています。それでウイルスコードを徹底的に除去するつもりです」
ヘリアン「安心して下さい。彼女の価値を考慮して、彼女の武装を解くつもりはありません」
ヘリアン「ですが同じ事が二度と起こらないためにも、彼女を通じてウイルスの浸透ルートを確認する予定です」
ヘリアン「彼女が復帰するまで、安心してグリフォンの任務を遂行して下さい」
ヘリアン「貴方とAR小隊が頑張ってくれたお陰でデストロイヤーの座標を捉えることが出来ました」
ヘリアン「しかし万全を期するにはより多くの情報が必要です」
ヘリアン「指揮官、部隊を率いて鉄血の占領区域にて、より多くの情報を収集して下さい」
【Part 2】
……援護作戦終了。
M4A1「指揮官、応答して下さい。援護作戦は順調に終わって、AR小隊が目的地に到着しました」
M4A1「情報収集はもう少しで終わりそうです。今後の指示をお願いいたします……」
M4 SOPMODⅡ「……」
M16A1「しっかりしろ、SOPⅡ。お前は人形だ」
M4 SOPMODⅡ「人形だから抑えられないのよ…」
M4 SOPMODⅡ「わたしたちは作戦道具にすぎないのに、どうして模擬感情モジュールなんか取り付けられているんだろう」
M4 SOPMODⅡ「敵の頭に引き金を引くだけでいいじゃん……」
M16A1「知るかよ」
M16A1「ひょっとすると最初は……こうでなかったかもな」
M4A1「AR小隊。データの収集が終わる次第後退して良いと、指揮官からの命令です」
M16A1「了解。SOPⅡ、行こう」
M4 SOPMODⅡ「うん…」
M4A1「SOPⅡ、大丈夫ですか?」
M4 SOPMODⅡ「わたしも……よくわかんない……」
M4 SOPMODⅡ「やっとみんなが集まれたのに……」
M4A1「AR-15が武装解除されることはないって、すぐ戻って来られるって指揮官は言っていました」
M16A1「よかったな。カフェか炭鉱で彼女を見かけるところだったぞ」
M4A1「私達が帰って来てすぐ小隊に復帰できるかもしれません」
M4 SOPMODⅡ「うん……」
M4 SOPMODⅡ「じゃあわたしたちは一応……」
AR小隊「……!!」
M16A1「……これは……緊急警報!」
ヘリアン「グリフォンの全ての指揮官及び各戦術人形小隊を呼び出します」
ヘリアン「以下、緊急通信を伝えます」
M4A1「……?」
ヘリアン「AR小隊の戦術人形、AR-15が……」
ヘリアン「先程、グリフォンの高位命令に背いて、独断的に拠点を離脱しました」
M16A1「……!?」
ヘリアン「全ての指揮官及び戦術人形は、該当人形を発見次第迅速に制圧するようにして下さい」
M4 SOPMODⅡ「AR-15……?」
ヘリアン「該当人形が悪性コードの保有者であることを考えて、極端状況では……」
ヘリアン「……戦術人形AR-15の破壊を、許可します」
M4A1「……」
M4A1「どうして……AR-15……」
M4A1「何を考えているの……」