緊急 5-4 【謎解きⅣ】
【Part 1】
グリフォンS9区戦術指揮室……
カリナ「あ、指揮官さま、命令待機中ですか?」
カリナ「すみません……ヘリアンさんは急用で席を外しています」
カリナ「とにかく!ヘリアンさんから今度の任務は私が指揮官さまに伝えるようにって言われたんです」
カリナ「AR小隊や他の人形たちの情報によると、鉄血はグリフォンに向けて何か物騒な作戦を企んでいるらしいです」
カリナ「この危機を乗り越えるためには、我々が主導権を取って攻め込まなければなりません!」
カリナ「……とヘリアンさんからの伝言です」
カリナ「実を言うと私にはよく分かりません……どうして私たちは鉄血に憎まれてるのか……とか……」
カリナ「とにかく、まだこの区域に残っている鉄血のエリートユニットは非常に大きな危険要素です」
カリナ「反撃作戦が順調に進められるように、まずはこの辺を片付けてください」
カリナ「これが反撃前の最後の作戦です。始めましょう、指揮官さま」
カリナ「どんな大きな試練があろうとも、私たちなら乗り越えられるはずです!」
【Part 2】
グリフォン本部の工房……
ヘリアン「クルーガー様、解釈結果が出ました」
ヘリアン「AR-15が残した情報と、先日404小隊が得た結果が一致します」
クルーガー「鉄血は次の計画でグリフォンを徹底的に排除するつもりのようだな」
ヘリアン「そう早くできますでしょうか?アレらがそんなに多くの人形を保有しているとは思われませんが……」
クルーガー「人形は必要ないぞ、ヘリアン君。『彼女』は人形とは桁違いに危険なカードだ」
ヘリアン「クルーガー様……このような膨大な情報は一体どこから」
ヘリアン「もしかしたら、あの部屋で本当に『彼女』と出会ったのですか?」
クルーガー「……」
クルーガー「『雨が降る、平原に』。そして『傘』……多分これが鍵だろう」
クルーガー「焦るな。AR-15の情報がある限り、『傘』の的確な位置が見つかるはずだ」
ヘリアン「AR-15……」
ヘリアン「今までも我々のために働いてくれているんですね……」
クルーガー「彼女はただ自らに下された命令を遂行してるだけだ、ヘリアン君」
ヘリアン「存じております。ですが今の私には、少し……」
クルーガー「私は人形に偏見は持ってない。彼女達が人類の代わりに背負った責任には非常に感謝している」
クルーガー「一部の指揮官が彼女達を同じ人として平等に取り扱っているのも、理解できる」
クルーガー「だがな、道具であれ、友人であれ、何であれ……」
クルーガー「敵の手中に落ちたら、判断を下さなければならない」
クルーガー「自ら別れを告げるか、アレが他の皆までどん底に陥れるのをただ見守っているかを」
ヘリアン「というと……我々の決定は……」
クルーガー「もう少し時間を与えよう、ヘリアン君。これは私達で決める案件ではない」
クルーガー「あの指揮官は、まだ時間が必要だ」
ヘリアン「これも……育成の機会ですか?」
クルーガー「いや……」
クルーガー「今度は、試す機会だ」
クルーガー「ヘリアン君。人形のリストをまとめて、使えるのは全部私に報告してくれないか」
クルーガー「準備しておけ。これからは我らの出番だ」