※激ネタバレ要素が含まれています。ご注意ください
普通 6-6 【遅れたお別れ】
【Part 1】
……ピッ
M16A1「指揮官?ネゲヴ?聞こえるか!」
ネゲヴ「M16、あなたどこよ!」
ネゲヴ「S08区のあちこちが鉄血だらけよ!しかもおかしいほど強いし!」
ネゲヴ「もう少しで撤退するところだったわよ!これ以上は待てないから!」
M16A1「すまん、ちょっと処理することがあって遅れた」
M16A1「よく聞け、ネゲヴ、指揮官。一応他の事は気にするな」
M16A1「アルケミストの部隊が動き始めた。多分そっちに向かってるぞ」
ネゲヴ「ふん、かたきを取る時が来たわね」
ネゲヴ「じゃああなたは?SOPⅡとどこに行くつもり?」
M16A1「私達なりの計画がある。多分問題ないよ。あまり心配するな」
M16A1「お前達も気をつけろ。指揮官、ネゲヴ達を守ってくれ!」
ネゲヴ「ちょっと!M16!ほらあ!」
アルケミスト「おはよう、グリフォンの皆」
アルケミスト「もうすぐ狩が始まるんだが、ちゃんと準備はできてるか?」
アルケミスト「再会を待ち望んでいたぞ、ネゲヴ……」
ネゲヴ「そう?でもアルケミスト、私ね、今マジでブチギレてるから……」
ネゲヴ「偶然にでも私とは出くわさないように神様に祈ってろよ……」
アルケミスト「ほう?あんな旧時代の弾薬で耐えられると思ってるのか?」
アルケミスト「どうなると思う?お前の仲間と一緒にわたしの手に千切られるだろうか、それとも一人で逃げ出しては倒れるだろうか?」
アルケミスト「わたしがお前の命を取るまでに、最高の恐怖を刻み込むが良い!」
ネゲヴ「その言葉、そのまま返してやるよ。クソ鉄血め……」
ネゲヴ「戦闘を始めるわ、指揮官」
ネゲヴ「かたきの鮮血ほど興奮するのはないもんね……」
【Part 2】
撤退作戦開始から3時間後……
…………ピッ
M16A1「ネゲヴ……ネゲヴ……!」
M16A1「輸送機が来た!早く来い!」
M16A1「鉄血がすぐ後ろまで来てるぞ、もうちょっとでビルも爆破される!」
M16A1「急げ、走れよ!早く!」
…………
M4A1「っ……」
M16A1「起きたか?M4」
M16A1「一人で歩ける?急げ、輸送機が着いたぞ!」
M4A1「M16……」
M4A1「どうして……貴女が?」
M16A1「私じゃ不満か?いつも私だったんだろう?」
M4A1「いえ、あの……」
M4A1「AR-15……」
M4A1「AR-15は!彼女はどこにいるの!」
M16A1「彼女は……」
M16A1「自分の道を、選んだ……」
…………
抑えられないほど恐ろしい直感が全身を貫いた。
M4A1「違う……」
M4A1「違う!そんなはずはない!」
M4A1「AR-15……彼女が……彼女がしたかったのは……」
M16A1「こら、M4!何する気だ!」
M16A1「M4!おい、どこ行くんだ!戻って来い、ビルから離れろ!」
…………
私はヘリから降りて、混乱状態の現場へと飛び込んだ。
爆音と同時に崩れ出す建物、慌てて駆け出す仲間たち、残骸に埋もれた鉄血の追っ手共……
これが何を意味するかを、私は理解していた……
M4A1「…………」
M4A1「……A……R……15……」
M4A1「……ど……う……して……」
それは騒がしい葬式で……
……静かな別れだった。